まさかカーボンホイールがこのボリュームでここまで軽くなるのか?ここまで進化するのか?ロードバイク歴5年でレースもしない50代初老の私が「次世代カーボンホイール」と表現するのも大変恐縮ですが、そのスペックにビックリし実際に乗ってみてまたビックリしたので詳細を書き記していきたいと思います。
記事は無料ですが、そのため独断と偏見に満ち溢れ間違いもあるかもしれませんので内容は鵜呑みにせず参考程度にということで、何卒ご了承の上読み進めて頂ければ幸いでございます。また今回ホイールの提供は受けておりますが、この記述に関してメーカーより金銭の授受は一切ありませんし、レビューを書いてくれという依頼もありません。個人的に本当に良いなと思ったからこそ自分への備忘録も含めて興味ある方に情報共有できればという思いで書きました。メーカーからの依頼を示さずプロモーションやPRの記載無くレビューしている記述とは一線を画しておりますので、ご理解頂ければ幸いです。何か間違いあればご指摘くださいませ。
この記事はPRです。
はじめに
私がロードバイクはじめた5年前と比較してもカーボンホイールは年々進化を遂げ、軽量・高剛性・エアロのバランスが求められる時代になっているように感じます。その中で2025年スタートアップした PARTICLE。
プロデュースするアメリカ人と中国チームで構成されたPARTICLEは、世界のカーボンパーツ製造の集積工場と言われる中国福建省厦門の自転車業界で長きに渡り培った経験と知見を活かして創業しました。
既に世に出されている大手メーカーを含む製品の矛盾や問題点を目の当たりにし、カーボンパーツを作る工場によって品質管理や製品精度、検査体制に大きな差があることを彼らは知っています。とても繊細と云われるカーボン製造過程において、どの工場が一番信頼を置けるのか?それを熟知していることが彼らの強みです。これまでの経験を活かして先進的な製法を採用し、実直な設計思想でホイールを開発する新進気鋭のブランドがPARTICLEです。
今回レビューする GCX Ultralight は、その名の通り超軽量でロードもグラベルも可能な究極のオールラウンドを突き詰めたモデルになっています。そして積載重量でホイールランクをチョイスできる仕様になっています。
GCX Ultralight50 スペック
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リムハイト:50mm(高速巡航・登坂と横風耐性を両立)
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リム内幅:25mm(ワイドタイヤ30c・32cとの相性抜群)
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リム外幅:34mm(エアロ性能を意識)
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重量:前後セット 1120g±30g(リムテープ有実測1150g:超軽量)
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対応タイヤ:クリンチャー / チューブレスレディ
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ブレーキタイプ:ディスク専用
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スポーク:第4世代カーボンスポーク(高強度でしなやかなエアロスポーク)
- ハブ:PARTICLEオリジナルハブ、スターラチェット36T・45T・54T
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価格帯:1,499ドル≒22万円前後(市場価格ベース)
特徴は内幅25㎜外幅34㎜のワイドリムにも関わらずリム50㎜ハイトで1100g台を実現し、加速感としなやかさを併せ持つ「第4世代カーボンスポーク」を装着しつつ価格が20万前半に抑えられている事です。
他社製品との比較:GCX Ultralight / Nepest NOVA / Rapide CLXⅢ
リムハイトがニアリーな第4世代カーボンスポークを装着する最新ホイールの比較表を作成してみました。
モデル | PARTICLE GCX Ultralight |
Nepest NOVA X |
Roval Rapide CLX III |
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リムハイト | 50/50mm | 45/55mm | 51/48mm |
リム内幅 | 25mm | 23mm | 21mm |
リム外幅 | 34mm | 30mm | 35/31.3mm |
スポーク | 第4世代カーボン 20本 |
第4世代カーボン 21本 |
第4世代カーボン 18本/24本 |
最適タイヤ幅 | 30C | 28C | 28C |
ハブ | オリジナル36T45T54T | オリジナル36T | DTSwiss180 EXP36T |
リム構造 | クリンチャー/フックド | 同左 | 同左 |
積載制限 | 100㎏(120kg/140kg) | 125㎏ | 125㎏ |
衝撃試験 | 90ジュール | 不明 | 不明 |
公称重量 | 約1120g | 約1265g | 約1305g |
価格 | 約22万円 | 約22万円 | 約48万円 |
こうして並べてみると、各社共にリムハイト50㎜前後でありながらリム内幅はそれぞれ異なる。トレンドであろうと思われる内幅23㎜はNepestのみチョイスしており、Rovalはタイヤ28㎜の最適解は内幅21㎜と主張している事はとても興味深いですね。

PARTICLEはGC・GCXシリーズのみ内幅25㎜で、RC・RCXシリーズは21㎜としておりプロチームからのフィードバックも含めて今は23㎜の必要性は感じていないと明かしてくれた。
また各社違う第4世代カーボンスポークを装着しながら、ホイールを構成する本数も違っている。ただこの種のスポークを使う事でホイール全体が相当の重量軽減になっていると共に、カーボンらしからぬ「しなやかさ」を兼ね備えていることは間違いない事実と思われる。
PARTICLEのハブはスターラチェット方式を採用しており、依頼しているファクトリーが作り上げるそれはDTSWISSを遥かに上回る精度と完成度を誇っているとの事。その事実は検証しようもないのですが、製造工程の裏事情も熟知している彼らは相当の自信を持って明言してくれました。

Rapide CLX IIIの1305gに関しては「驚異的な重量」という記述も目にするし、1400g台でも軽量ホイールと表現する媒体もあったりする。そのような中でPARTICLE GCX50の1120gは『超絶に驚異的な重量』と表現しても過言ではないのかな?と思う程に軽い。
それは単なるリムハイト50㎜というだけではなく、内幅25㎜外幅34㎜という形状からすると尚の事、手にしてみれば分かる想像を超えるボリューム感なのに驚くほど軽い。
前後30㎜ハイトのGCXは1020gという想像を超える軽さになっている。プラスマイナス30gというバッハを持たせているけど-30gだと900g台になってしまうのか?
また軽量過ぎて過重に脆弱かと思ったら、UCI基準2倍以上の90ジュールで衝撃試験をしているようです。NepestとRovalについてはUCI40ジュール衝撃実験はクリアしているはずですが、その詳細は見つける事が出来ませんでした。ご存じの方がいらっしゃいましたらご教示頂ければ幸いです。
PARTICLE GCX50はこのスペックで20万円前半というのは驚きの価格設定と言わざるを得ない。
実走インプレッション
PARTICLEを装着して距離450㎞、累積獲得標高6500m走ってきました。一言でいえば「リムハイト50にタイヤ30Cを装着しているとはとても思えない軽い走り」でした。1120gというのは私の人生の中で最軽量ホイールとなっていて、信号からの漕ぎ出しは勿論ヒルクライムも全く問題なくこなしてくれました。山を登った後の下りに関してもタイヤが太い故にコーナリングも安定感があり、太い故に心の安心感がとても大きいですね。私レベルでは下りでスピードをそれほど出すことも無いのですが、六甲急坂ダウンヒルでも今までより気持ちにゆとりが持てる感じがしました。

そして30Cタイヤの為、空気圧を大きく下げれることも魅力です。大きな段差は今までのタイヤと大差無いですが微細なアスファルトの荒れに対しての乗り心地は低圧ならではのとても快適に振動をいなしてくれます。特に長距離では身体の負担軽減に大きく繋がっていくものと思われますのでロングもより一層楽しみになります。
軽さ故の高速巡航での失速感はあるのか?当然の事ながら一旦スピードの出た回転体は重い方が更に加速していくものと思われます(バランスもあると思いますが)。低いリムハイトにあるような高速域での物足りなさは、ホビーライダーの私レベルでは感じることはありませんでした。むしろ漕ぎ出しやアップダウンでの軽量感による脚への負担軽減の恩恵が大きく、重い回転体を回し始める必要パワーと相反するメリット・デメリットを考えると個人的に私は前者を好みます。この辺りは絶対評価ではなく乗り手のパワーや乗り方、好みに分かれることと思いますが。
どんな人に向いているか?
一言でいえば「欲張りな人」に向いていると思います。カーボンホイールに求める内容が、①ヒルクライムで速く走りたい、②でも平坦やアップダウンも高速巡航できて気持ちよく速く走りたい、③信号からのストップ&ゴーも楽に出来て、④タイヤを低圧にして振動吸収性や荒れたアスファルトも快適で、⑤カーボンスポーク特有の瞬発力も有るけどスチールスポークのしなやかさも兼ね備えていて、⑥できればグラベルでも走らせたい高強度なリムで、⑦そして少しでも安く購入したい、というご要望のある方には有力候補の一つになるのではと個人的には思っています。
ずっとそんなホイールがあればいいなと思っていました。低圧ならチューブレスレディーにすればええやん、それも選択肢のひとつですが私のようなメンテナンス不得手人間にとって日常手入れの容易性を鑑みればクリンチャーでの運用が個人的には良いかな、と今のところ思っています。50万100万出せば同じスペックのホイールが見付かるのだろうか?私が知らないだけかもしれませんが、今のところそのような情報を見たことはありません。
レースで勝てるホイールなのか?と言われたら全く分かりません。ただ私のようなレースをしないホビーライダーにとってロードバイクに乗っていて想定される「あらゆる場面」で快適に走れる超オールダウンダーなホイールセットであることは間違いないと強く感じました。リム50㎜内幅25㎜外幅34㎜で1120gというのは「そんなホイールあったらよいのにな」と思っていたところでした。
勿論PARTICLEは最軽量で1030gのホイールもありますし、内幅21㎜でよりヒルクライムやレース特化型と思われるホイールもあります。なんせ第4世代カーボンスポークがこれほどまでに絶賛されるご時世でもありますし、現時点ではその性能含めて極めてコストパフォーマンスの高いホイールと言わざるを得ません。
第4世代カーボンスポーク
PARTICLEに使われる第4世代カーボンスポークについて、その詳細を。とにかく写真のようにしなやかです。引張り強度は高いのにスチールのように素晴らしく柔らかく曲がります。これが脚にマイルドな要因ではと言われていますし、私もそのように感じています。
私の手元に届いた予備のカーボンスポークは2本でした。





PARTICLEに装着されているそれは、私が知る瞬発力としなやかさを併せ持つ「第4世代カーボンスポーク」で間違いないと感じました。これによる乗り心地の良さと全体重量のそぎ落とし効果はかなり大きいと思います。
ハブ
その状況が分かり易い写真をいくつか。
ラビリンスシーリングを採用している為、水や汚れの侵入には強く某大手ハブよりもはるかに優れている英国の実証結果もあるようです。
またそのハブの2~5倍の精度で加工されているため転がり抵抗と耐久性が向上しており、ラチェットは特許が切れている為DTSwissと互換があるようです。
ハブのPARTICLE文字もレーザーエッジングです。
このハブの設計により側面に開口部が無いため、他社のカーボンスポークにありがちなスポークの不意に抜けによる安全性の問題も解消されているようです。
メリット・デメリット
今までの内容や実走して感じた事を総括して個人的に思うメリット・デメリットを書き記します。
メリット
・想像を超えた乗り心地:今までとは大きく異なる軽さを武器にしたペダリングは加速性としなやかさを両立してくれ、長時間ライドも含めて快適性を大幅に向上してくれる。
・究極のオールラウンド:ヒルクライムをはじめ信号の漕ぎ出しから平坦やアップダウンまで、あらゆる場面でホイールの軽量感から快適性とワイドリムの安心という恩恵を受ける事が出来る。
・コストパフォーマンス:この快適性と加速と安定性がこの価格で手に入る技術力と企画力に次世代ホイールを感じる。
デメリット
・ブランド力:創業したばかりで何の実績も無く信頼性という点で他社に及ばない。
・ワイドリム内幅25㎜:最適タイヤ幅30cクリンチャーの選択肢が少ない。
・保証について:オプションで生涯保証もあるがメーカーとして存続していけるのか不明。
まとめ
GCX Ultralightの大きな特徴は、超軽量化を徹底しつつも「ワイドリム × Uシェイプ×第4世代カーボンスポーク」という最新トレンドをしっかり抑えている点。単純なヒルクライム専用ホイールではなく、高速巡航だけを目的としたのでもなく現代的なバイクセットアップにフィットする万能性を兼ね備えています。初めて出た3年前の富士ヒルは1500g近いDTSWISS ARC1100 50㎜だったのが懐かしい。あの時このPARTICLE1120gだったらどんなタイムになっていたのか?軽量が全てではないと思いますが、瞬発力やしなやかさも兼ね備えた超軽量ホイールは今の私からすると万人受けするホイールであり、ホビーライダーとしてはありとあらゆる場面で快適に安心して走れる選択肢になるのではと思います。今までヒルクライム用とリムハイトの高い高速巡航用のホイール2本購入していたのが1本で間に合ってしまうような感じです。
ブランド力のある大手メーカーからは魅力的な技術が詰まった製品が数多く販売されていますし(高いけど)、中華系ホイールもそれに負けず劣らず短いサイクルで最新技術の商品(低価格で)を開発しています。乗り手の乗り方や嗜好、どうやってロードバイクを愉しむのか、人それぞれの様々な価値観によってホイールのチョイスは変わってくるし100人いれば100通りの感じ方があると思います。私が記述した内容はその1/100に過ぎませんし、1/1000かもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。今回の情報を皆様と共有できたことは私にとってとても印象的な事になると思っています。それぞれの方の状況の中で良きホイールと出会える事を願っております。まだ国内での流通は限定的ですが、軽量カーボンホイールを検討するなら候補に入れる価値は十分にあります。

気になる方はサイトへ→PARTICLE
代理店や販売店もメーカーさんは探しています。
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コンポ・DE・リングさんのnote
沖縄在住の人気YouTuberコンポ・DE・リングさんはPARTICLE RCX50のnoteを書いておられます。合わせて是非ご覧ください→noteはこちら
ということで最後までご覧頂きましてありがとうございました。
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ここしばらく、超軽量のカーボンホイールが属像登場していますね。自分は(ご存知かと思いますが)Nepest NOVA 35 に大変満足しておりますが、ブログを拝読して Particle GCX Ultralight も同様の走りを与えてくれるのではと感じました。選択肢が増えるのは素晴らしいことです。ご紹介ありがとうございました。
だいはど様、コメントありがとうございます。Nepest NOVAは私も大変気に入っているホイールです。35ですとしなやかさも軽さも兼ね備えてとても乗り心地は素晴らしいと思います(私は45しか体感したことは無いのですが)。PARTICLEもそれに近しい走りをしてくれますしワイドタイヤで低圧で走れてオールラウンドに快適です。どちらも甲乙つけ難い最新技術のホイールだと思っております。